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オリジナル創作ブログです。ジャンルは異世界ファンタジー中心。 放置中で済みません。HNを筧ゆのからAlikaへと変更しました。
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12、人間関係を潤滑にするのって多分一番難しい

装備を整えた後は屋外の訓練場に移動して、基礎からの練習だ。
私はこれまで剣を扱った事など一度もないので、鞘から抜き放つ際に怪我したりしないよう、鞘の抜き差しから教わった。
武器を扱えるクローツとフィーもパム女史と一緒に教える側になり、初心者3人をそれぞれマンツーマンで鍛える形である。

剣の構え方、振り方など、ごく初歩的なところからきっちりやる。
フィーとクローツの模擬戦は、二人に本物の武器で打ち合ってもお互い怪我をせず戦えるだけの力量があってこそ行えたものであって、初心者の私達がいきなり対人戦など、危険すぎて問題外だ。

安全性でいえば、本来ならば武器だって、初めは木刀や刃が削ってある練習用の武器を使った方がいいらしいのだが、ここは短期間で実戦で戦える冒険者を育成しなければならないので、武器扱いの習得を急ぐ為、最初から本物を使うのだそうだ。


剣の素振りを二時間も続けると体中がクタクタになる。扱いなれない本物の武器を使っての訓練だから、体力だけでなく神経もくたびれるのだ。
男女別に別れてシャワーで軽く汗を流した後、昼時にチーム全員で食事を取りながら、パム女史から、魔法の概念についての説明が行われ、各々の属性の確認などの情報交換もされた。

そしてその後、食後休みで50分の休憩が入った。

私は休憩の間に、剣の訓練で普段使ってない筋肉を使ったせいで痛みを訴えていた身体を、ストレッチしたりマッサージしたりして、ゆっくり筋肉をほぐしたりして過ごした。
そのすぐ近くで、パム女史を除くチームメイトは座って雑談を交わしていた。フィーとクローツとコリンは大分打ち解けてきている様子だったが、ミルカだけは、まだ打ち解けられず気後れしているのか、口数が少なかった。


午後からは、まずは銃の取り扱いの説明。そして射撃訓練。
今回は初回だから、正しい取り扱いについてじっくりと説明され、慎重に使い方や持ち運び方を習った。

その後は体力増強で、学内の敷地に設置された山野のコースを行く訓練。
まずはチームでお互いをフォローしながら、全員で周ってくるコースで訓練し、その後休憩を挟んで、個々の体力に合わせて個別で行くコースも用意されているそうだ。

ちなみに装備はそのままなので、午前中に選んだばかりの装備をして、だ。
学内に設置されたコースには魔物や危険な動物(熊や狼や猪など)は、入れないように柵で囲んであるとはいえ、自然の起伏に富んだ地形だ。訓練用にわざと足場が悪い獣道のようなコースを作ってあるらしい。

しかもこれに、班担当官は同行しない。
つまり、生徒だけでお互いをフォローしつつ行動しなければならないのだ。
チーム内で協力して、決められた時間内にゴールするのが目標だ。
アクシデントがあった場合にはトロンカードで即座に担当官へ連絡できるとはいえ、生徒だけでの訓練となれば。
(班長の責任重大だな……)
私はこっそりと溜息をつく。


「フィーとクローツが先頭、その次がミルカ、コリン。私がしんがりで全体を把握しなが移動する。先頭二人は何かあったら、些細な事でも後ろに声掛けする事」
「わかりましたわ」
「了解ー!」

実力派のフィーとクローツに先頭を任せる。
この二人なら多分、道をうっかり外れて迷うとか、何か出た時にパニックになるとかないと思う。特にフィーは羽蜥蜴をペットにして連れてるくらいだし、蛇や蜘蛛がいたくらいではまったく動じなさそうに思える。……偏見か?

そして、体力的には多分、性別男性で年長である私が一番余裕があるはず。
……あるといいな、という思いから、誰かに何かあった場合は背負って移動、というのも視野に入れて、全員をフォローできるしんがりを選んだ。

「真ん中のコリンとミルカは、お互いに気をつけて相手をフォローしてやってくれ。無理してると思ったら、すぐに言う事」
「ふっ、言われなくても、レディーを守るのは僕の使命だからね! 任せたまえ」
「気をつけるわ」

コリンは自信満々に、ミルカは固い表情で言葉少なに頷く。
班長としてはミルカが早くチームに馴染めるように、何かしてやった方が良いのだろうが、私自身余裕がなくて、何をどうすればいいのかわからないでいる。
こういう場合、副班長であり同性であるフィーがそれとなくミルカへ声を掛けて、徐々に親しくなってくれれば理想なのだけれど、マイペースで変わり者のフィーに、それを期待しても無駄そうだ。
人間関係って、元の世界でもこちらでも、やはり一番難しい。


「それじゃあ、出発」


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犬猫を飼っている方、又は飼い主が知り合いにおられる方へ

正丸峠の遺体遺棄事件をご存知でしょうか。
もしご存知なければ、一度、上記のリンクの記事をご覧いただければと思います。

火葬業者が不法投棄したと思われる、大量のペットの遺体。飼い主が弔う為にお金を出して供養したはずの、……されたはずの遺体の末路。

飼い主だけでなく、業者にもモラルが求められます。
というか、人に、……社会全体に求められて然るべきものなのでしょうね。


捨てる位なら産ませないで

先日、「くるねこ大和」様にて猫漫画を拝見し、そこから適当にネットを漂い、「リトルキャッツ」様という、山梨を中心に活動されている犬猫ボランティア団体のサイトへ辿り着きました。

活動日誌のブログに、必死に命を救おうとする努力と、救えなかった命に対する悔恨が伝わってきて、こちらまで切ない気持ちになりました。
自分たちの身を削り、沢山の里親さんのご縁を見つけている彼ら。
そして、奇形・病気・怪我・障害、……などの様々なハンデを抱えて生きようと足掻く仔たち。
見るだけで悲しくなるようなそれらは、人によっては、「こんなエグイ写真をネットに載せるな」と、不快感を感じさせられるものかもしれません。
けれど元はといえば、そんな事態を招いたのも、人の手によるもので。目を背けたくなるような写真も又、そこにあるれっきとした現実であり。
ボランティアの方々は、そんな仔たちを救おうと頑張っているのですよね。

そもそも、飼い主がきちんと虚勢手術、避妊手術をしていれば、野良が増える事もなく、不幸になる仔も減ってゆくのに。
「捨てる位なら産ませないで」「虚勢・避妊さえしてくれれば、どれだけの命が無残に散らずに済むか」という切実な叫びに、一人でも多くの人が気づいてくれたらと思います。

動物を飼うには、時間もお金も愛情もいりますが、「命を捨てない」という根本的な気持ちを強く心に置いてほしいと、改めて考えさせられました。




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