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オリジナル創作ブログです。ジャンルは異世界ファンタジー中心。 放置中で済みません。HNを筧ゆのからAlikaへと変更しました。
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「明日、花が咲くように」 四章 4

「それにしてもすごいですね」

空になったカップを置いて、シズヴィッドがエディアローズを……正確には、その周囲を取り囲む精霊たちを視る。
シズヴィッドが傍にいるせいでその数はかなり減ったのだが、それでもまだまだ溢れかえっている。
力の弱い精霊は近づけず、力が強めの精霊ばかりが残っているのもあって、視える者にとっては圧巻の光景だ。
だが、エディアローズはきょとんとして首を傾げる。

「何が?」
「私、精霊にこんなにも愛されている方は初めてみました。私の最初の師匠がとても精霊に愛される方で、彼女の周囲にはたくさんの精霊がいましたが、ここまで多彩な種類がこんなにも集まっているのは、今まで見た事がありません。私は精霊に避けられてしまうので、羨ましい限りです」
「そうなんだ? 僕は、存在はなんとなく感じられるけど彼らの姿が見えないから、実際にはよくわからないんだけど」
「ええっ!? これだけ精霊に愛されていながら、まるで見えないんですか!?」

「シズヴィッド、こいつに魔力があるように見えるか?」

僕は驚く弟子に、注目すべき点を指摘する。
精霊を視るには、多少なりとも魔力が必要だ。だがエディアローズには、それだけの魔力がないのだ。

「……いえ、魔力は殆ど感じられませんが。でも、魔力を持たずとも精霊に愛される方はいますけれど、これは、いくらなんでも異常では?」

当人を前にして言い切った。本当に図太い女だ。

「まあ、異常なのは確かだ。僕はこいつの色違いの瞳が、本当に周囲を不幸にする力があるのか調べるよう依頼されている。
そして、纏わりつく精霊はその瞳に寄せられてくるのか、あるいは別の要因で集まってくるのかも、個人的な興味で調べている」
「なるほど、そういう繋がりですか」

紅茶のおかわりをして、シズヴィッドが頷いた。

「個人的な興味だって。妖しい物言いをするね。
知ってるかい? スノウ嬢。ヒースが女嫌いになった原因のひとつに、ご令嬢に男色の噂を流されたからっていうのがあるんだけど。あれ、そのお相手は僕って事になってるんだ」
「余計な話をするなっ」

悪戯な笑みで、エディアローズがいらない事を言う。
あれは僕のトラウマだ。なかった事にして忘れたいというのに、捻くれ者のこいつは、僕に嫌な顔をさせる為だけに、その話を蒸し返すのだ。

「納得ですね。顔の良い男の人が一緒にいるのを見ると、自分以外の女性と付き合われるよりは、男同士の方がいっそ素敵とか、夢みちゃうんですよね」
「どんな夢だ!? それは!?」

いい加減、怒鳴ってばかりで疲れてきた。僕が苛々しているのに、この二人はまったくお構いなしで会話を続けているから、尚更腹が立つ。

「スノウ嬢も、ヒースに憧れてたりするんだ?」
「いいえ、私は師匠に「絶対に惚れない」という条件で、弟子入りを許された身ですから。それに、恋愛にうつつを抜かす暇があるなら、その分修行に打ち込みたいですし」

きっぱり否定されて、エディアローズが意外そうな顔をする。
女は大抵、口では否定しつつも、まんざらでない様子でこちらを窺ってくるものなのだが、こいつの否定には微塵も迷いがないのだ。

こいつがわかりやすく浮かれるのは、ルルーシェという弟が絡んだ時だけだ。
別に僕以外の相手ならば誰に恋をしようと構わないのだが、今のところそういった気配は見られない。重度のブラコンであるのに加えて、魔術師になるのに執念を燃やしまくっているのが原因だろう。

「ヒースは随分とタチの悪い条件を出したものだ。こんな素敵なご令嬢を傍に置いて、惚れてから自分の発言を後悔しても知らないよ?」

その、裏に色々と含むところのある笑顔が、エディアローズの腹黒さを如実に表している。
どうせ僕が出した条件を聞いて、自惚れが強すぎるとかなんだとか、馬鹿にしているんだろう。

「あるはずないだろう、そんな事」
「そうですね。殿下、お世辞は結構ですよ」

僕が即答し、シズヴィッドもそれに頷く。エディアローズの褒め言葉を本気にしていないのか、その様は平然としたものだ。

「お世辞じゃないんだけどね。ヒースはもったいない事をしたと思うな」

褒め言葉をあっさりと受け流されて、エディアローズは小首を傾げて苦笑する。
こいつから見ればシズヴィッドは、自分の瞳に怯えずに普通の態度で接してくれる、さぞかし貴重な相手だろう。(その普通の態度が失礼なのはともかくとして)
女嫌いの僕のとった弟子という肩書きが物珍しいのもあるだろうが、こいつがこういう接し方をしてくれる存在に対して好意的になるのは当然と言える。

「師匠はこう見えてモテますから。惚れるなという条件がなくとも、どうせ私には手の届かない高値物件と思えば、余計な邪念も湧きません」
「物件とか言うな」
「ああ、ヒースは確かに女性にモテる。自他共に認める天才なのに、自分を磨く努力を怠らない、我が国が誇る最高位の魔術師だし」
「ええ、私も師匠のそういったところを尊敬しています。
私は平凡な魔力量しか持たなかったから、自然と「節約」という研究分野に行き着いたのに、師匠は膨大な魔力を持っていながら「節約」の研究に熱心なんです。これはすごい事です」

僕の突っ込みを、どちらもあえてスルーした。揃いも揃って失礼すぎる。
しかも、この二人の褒め言葉はどこかうすら寒い。
特にエディアローズの方は、僕が嫌がるのを面白がってからかっているのがわかるから、褒められているような気がまるでしない。

「女嫌いで、態度も口も悪い上に、とっても短気だけど、面倒見はいいし」
「確かに師匠って、意外と面倒見が良いです」
「二人とも、虫唾が走るような褒め方をするな」

いい加減嫌気が差して、会話の流れを止めようとするのだが、息の合った二人は、のらりくらりと僕の追及を躱す。

「せっかく褒めているのに、どうしてそういう反応をするかな。心の狭い男は嫌われるよ、ヒース」
「大丈夫です、殿下。師匠なら、口の悪さと態度のでかさを顔の良さだけで補えますから。女嫌いが治って恋がしたくなったとしても、きっと、相手には困りません」
「ふふ、スノウ嬢は本当に、面白くて素敵だね」
「褒めても何も出ません」
「ふふふふふ」

…………なんだろうか。この二人の会話を聞いていると無性に疲れる。
どうも、僕の苦手な者同士が仲良くなってしまったようだ。



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「明日、花が咲くように」 四章 3

結局あれから、エディアローズの提案通りに表の庭に場所を移して、僕たちは揃ってお茶を飲むハメになった。
性格があれだが、仮にも王子であり来客である。やってきてしまったなら、もてなさない訳にはいかない。
シズヴィッドも妙に気に入られて同席を求められ、共にテーブルを囲んで椅子に座っている。

まあ、こいつがここに来たそもそもの目的が、「女嫌いの僕が取った女の弟子を見る」事だったのだから、はじめから興味津々だったとも言える。

「シュシュ、おやつがあるよ」

メイドが用意した菓子の中に木の実の皿があるのを見て、エディアローズが自分の上着のポケットを軽く叩く。
キュキュ、と鳴き声がして、そのポケットから茶色の毛並みに黒い瞳のリスが顔を出す。
リスとしては魔力が強く長生きするキャネリットという品種だ。手入れが良く毛艶も艶やかだ。

姿は小ぶりで可愛らしく、性格は人懐っこく、一度主人と認めた者をどこにいても察知して帰ってこようとする帰巣本能があり、人に移るような病気にもなりにくい。
そういった性質から、犬猫と並んで人気の高いペットである。

シュシュは、エディアローズが飼っていて、大抵いつも連れ歩いている。僕の屋敷の召使いたちはそれをわかっているから、菓子皿に木の実を用意したのだ。


「まあ、可愛らしい」

シズヴィッドがシュシュを見て、両手を合わせて顔を輝かせた。
女子供は大抵が小動物好きだが、こいつもその例に洩れないのだろうか。

「ありがとう。この子はシュシュっていうんだ。僕の友人だよ」
「こんにちは、シュシュちゃん」

シズヴィッドがそっと手を差し出すと、人懐こいシュシュは飼い主の元を離れ、ちょこちょことテーブルの上を歩いてシズヴィッドの前まで行った。そして、その手にひょいっと小さな片手を乗せて挨拶する。

「本当に可愛い。あの、木の実をあげてみてもいいですか」
「ふふ、どうぞ。シュシュも喜ぶよ」

シズヴィッドは小動物に夢中だ。それを見て、エディアローズが楽しそうに笑う。
こいつは王子でありながら不吉だと周囲に避けられているから、ペットを自慢できる相手が少ないのだ。
エディアローズが楽しげに笑うと、周囲の精霊も嬉しげに笑いさざめく。

精霊は言語を持たないが、豊かな感情を持っている。彼らの喜怒哀楽を読むのは、魔術師にとってとても重要だ。
エディアローズに群がる精霊はどれも例外なく、こいつに対する愛情や好意で溢れている。
こいつが好きだから集まってくるのか、寄せ付けられる何らかの要素があるから好意的になるのかは、まだ研究段階でわからないが。


「そういえば、スノウ嬢の武術の腕前はとてもすばらしかったね。ヒースに弟子入りしてからはまだ日が浅いけれど、前はどちらに師事していたのかな。それとも、独学で?」

あれだけのレベルの戦闘術を心得ている女などかなり希少だ。エディアローズもやはり、その経歴が気になったようだ。

「護身術は幼い頃から母に習っていました。それをより本格的に鍛えてくださったのは、こちらに来る前に師事していた、クラフト・ペレさまです」

「え、あの疾風のペレの弟子だったんだ? 僕、13年前の国境の戦いで彼の活躍を見たよ。あれは本当にすばらしかった。
僕はあれが初陣で、安全な砦の上で戦場を見下ろしていただけなんだけど。
その異彩な戦い方と、派手な魔術を使わずに一人でどんどん敵を倒してゆく勇姿には、とても感動した」

知っている名を聞いて、エディアローズの声が弾む。
お世辞でなく、こいつはあの戦いでペレの勇姿に感動していた。本人も剣士だから、タイプこそ違うとはいえ、その戦い方には学ぶべきところが多かったのだ。

僕もまた、ペレには強い印象を持った。
彼からの紹介状を持っていると聞いたからこそ、シズヴィッドに直接対応したのだ。
国境での戦いから戻った後も、顔を見掛ければ軽く挨拶をする程度には、ペレとは付き合いがあった事だし。
女であるシズヴィッドを見た時は、よりによって僕の元へ女の弟子を推薦してくるとはと不快になったが、それも、その特異な才能と不屈さと武術の実力を知る内に、紹介状を書いたペレの気持ちがわかってきて、次第に納得に変わっていった。


弟子だったこいつの特性をわかりやすく書いてあった紹介状の最後は、こう綴ってあった。



『親しくもないのに、いきなりの不躾なお願いで、まことに申し訳ありません。
ですが、スノウ・シズヴィッドの才能を伸ばせる可能性があるのは、もはや国内には貴方以外にはおられないと思い、無礼を承知で筆を取りました。
この子が一人前の魔術師となれるのを、彼女を師事してきた者として、強く願っております。
彼女が師と仰いできた他のお二人もまた、私と同じ気持ちです。どうか、彼女をよろしくお願いします』



短い文面ながら、そこに籠められた切実な願いが伝わってくるような文章だった。

……シズヴィッドは、魔術師の資格こそ取れなかったとはいえ、良い師に恵まれてきたようだ。
他の二人の師が誰かは知らないが、きっとその二人も同じように、こいつが一人前の魔術師となれるのを、心から願っているのだろう。


「ありがとうございます。殿下のお言葉を、師に聞かせて差し上げたいです。
あの方は私と同じで、魔力の少ない魔術師でありながら、接近戦に魔術を併用して強くなられた方ですから。
魔術師としての地位が低いのを気に掛けておられましたが、私にとっては良い師匠でした。あの方が褒められるのは、私にとっても誇らしいです」

かつての師を褒められて本当に嬉しそうに微笑むシズヴィッドを見て、僕は、僕へと託された彼らの願いの重さを、改めて噛み締めた。



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「明日、花が咲くように」 四章 2

「久しぶりだね、ヒース。女嫌いの君が女の子の弟子を取ったと風の噂で聞いて、興味が湧いて見にきたんだ。驚かそうと思ってこっそり覗いてみたら、とてもすばらしい戦いぶりで、こちらが逆に驚かされてしまったよ」

エディアローズが歩いてくると、ようやく、半透明な精霊たちの間から、当人の顔が見える程度になる。

(相変わらず女顔だ)

涼やかな声と爽やかな笑顔。淡い色の金色の長髪に、左右で色違いの瞳。
この男は、そこら辺の女など敵にならない程に、綺麗な顔立ちをした男だ。
男に綺麗などといった表現を使うのは気色悪いが、事実、誰がどう見ても、顔だけは良いのだ。


だが、この男は周囲の人間から怖れられ、忌み嫌われている。
精霊には、こんなにも過剰に愛されているのだが。

人に忌み嫌われる理由は、こいつのその色違いの瞳にある。
昔から、色違いの瞳を持つ者は、関わった者や近しい者を不幸にするとされてきているのだ。
特に、連れ添った伴侶をもっとも不幸にするとも言われている。

この国のみならず、大陸全土でその伝承は伝えられており、現代でも、色違いの瞳を持つ子が生まれたなら、親が子を捨てるのも当たり前と言われる程に、根深く残っている。

エディアローズは、右目が水色で左目が紫色の色違いの瞳を持って生まれた。
だが、その身分の高さゆえに捨て子とはならなかった。
それでも、実の両親にさえも忌避される「忌み子」として有名だ。
この国の第三王子は「不吉王子」という忌み名で、民に知られた存在だ。
シズヴィッドもその瞳を見て、相手がどんな存在か悟ったようだ。

「もしかして、エディアローズ・ユリウス殿下ですか?」

僕には訊かず当人に直接訊ねる辺り、伝承の瞳に怯えていなさそうだ。
少なくとも、あからさまな嫌悪や拒絶は見せなかった。
初見で、纏わりつく精霊の異常な量には動じたが、それ以降はまるで動じた様子を見せない。さすがは押し掛けで弟子になっただけあって、図太い神経の持ち主だ。

「そうだよ。こんにちは、はじめましてだね。僕を知ってくれてるみたいだけど、改めて自己紹介しようか。
僕はこの国の第三王子、エディアローズ・ユリウス・グリンローザ。お嬢さん、よければ君の名前も教えてくれる?」

エディアローズがふんわりとした微笑みを浮かべて、僕の新しい弟子を見る。
この男はこう見えてかなりの腹黒なのだが、知っていてもそうとは思いにくい、優しげで柔らかな笑顔である。

「スノウ・シズヴィッドと申します。はじめまして、エディアローズ殿下」

シズヴィッドが丁重な動作で礼をする。

スカートならば貴婦人特有の、両手で裾を持ち上げて頭を下げるお辞儀をしたのだろうが、こいつはいつもズボンを穿いている。
今日だって武術訓練をしていた事に関係なく、最初からズボンで屋敷にきていた。

貴族の息女らしい礼をするには格好が向いておらず、かといって王子相手では、僕にするように、軍隊式の敬礼もできない。
それでなのか、文官風の、胸に片手を当てて頭を下げる礼をした。

「ふふ、僕の眼を見ても動じないってすごいな。大抵の子は怯えてしまうのに。さすが、女嫌いのヒースに弟子入りを認めさせただけあって、豪胆だ」
「恐れ入ります」
「立ち話もなんだし、表の庭のテーブルに場所を移動して、お茶会でもしようか」
「客のおまえが仕切るな」
「いいじゃないか、僕とヒースの仲だもの」

どんなに綺麗な顔で笑い掛けられても、まるで嬉しくない。むしろ、その性格を知っていると寒いだけだ。

「どんな仲だそれは。僕はおまえとそこまで親しくした覚えはないぞ」
「相変わらずつれないね、ヒースは。シズヴィッド嬢、こんな堅物の男が師匠では、さぞ苦労している事でしょう」
「慣れましたから。それと私のことは、よろしければスノウとお呼び下さい」
「否定しろ、シズヴィッド」

まったくこいつは押し掛け弟子のくせに、態度がでかいにも程がある。
ちなみに僕がこいつを頑なに「シズヴィッド」と家名で呼び続けているのは、いくら弟子とはいえ、女の名を呼ぶのに抵抗があったからだ。
まあ女に限らず、エディアローズのような例外(家名のグリンローザは、この国の名前である)以外は、僕は大抵の相手を家名で呼ぶようにしているのだが。

「でも事実ですし」
「そう。事実だからね。ではぜひ、スノウ嬢と呼ばせてもらうよ。
嬉しいな、皆、僕に怯えて近づいてきてくれないから。名前で呼んでいいと言われるのは珍しいんだ」

初対面だというのに、この二人は妙に息が合っている。会話のテンポが非常に速く、僕が口を挟む隙がろくにない。
もしかしたら、図太いひねくれ者という点で、この二人はかなり性格が似ているのかもしれない。



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