今、日本にいる猫は野良猫も含め、すべて人間が「愛玩動物用」として、繁殖に手を加えてきた子達です。
より可愛くなるように交配され、見た目はとても愛らしく、けれどその分、外で生きるには適さない姿になった子。
あるいは純血を保つ為に近親交配が行われた結果、奇形で生まれて捨てられる子。
「野生の猫」と呼べるのは、日本ではイリオモテヤマネコくらいだそうで。他はみーんな人の手が加わっていて、「野生」と呼ぶに当たらない「愛護動物」なのだそうです。
なのに、人の都合で捨てられ、厳しい外の環境で危険に晒され、寿命を縮めながら必死に生きている「野良」さんを、人はまた自分の都合で邪魔者扱いする。
こんな勝手な事、もし自分が猫だったら、絶対に許せないです。
人は猫を「猫なんか」って言うけれど、猫から見たら人間こそが「人なんか」って言いたいだろうなあとつくづく思います。
それでも彼らは、人の都合に振り回されながら生きていくしか、今のところ選択肢がないのが現実で。
愛される為に意図的に改造された種なのだから、せめて室内でノビノビと、お腹を空かせて餓える事もなく、病気にかかれば動物病院に連れて行ってもらえるような、そんな当たり前の幸せを噛み締めて生きてほしい。
お外で毎日、空腹を抱えて危険と隣り合わせに暮らす不幸な猫が、一日も早くなくなってほしい。
(勿論、だからって保健所に連れていって殺処分なんて論外です。生きてそこにある命なのですから!)
だから私は、TNR(T=トラップ=捕まえる・N=ニューター=中性化=不妊・去勢手術を受けさせる・R=リターン=元の場所に戻す)活動を応援しています。
本当は、不妊手術を受けさせた後、そのまま全部の子を保護して、新たなお家を見つけてあげられれば、それが一番理想的なのです。
ですが現実は厳しく、動物ボランティアさんの抱えられる容量を、猫の数が遥かに上回っています。
猫嫌いな人は、TNR活動そのものに理解を示してくれない事もあるそうです。
けれど、国が本腰を入れて保護活動を支援してくれて、保護施設の提供とか、不妊手術の代金の助成とかしてくれるとかならともかく、個人での頑張りには、どうしても限界があります。
「出来るならすべての子を保護したい」「お外の不幸な子をなくしたい」という気持ちは、現場で必死に活動されているボランティアさん達自身が、一番強く思っているのではないでしょうか。
ああ、早く人と猫が、平和に共生できる優しい国になってほしいなあ。
そのために出来ることを、私も模索しなくては。
とりあえずは、自分の気持ちをこうしてブログに綴ったり、頑張っていらっしゃるボランティアさんに、応援のメッセージを残したり。
そういう地道な活動からの開始です。
……資本(身体の健康とか金銭問題とか家族の理解とか)がないのが苦しいですが、まずは自分で始めようとしなければ、出来ることなどないままなんですよね。
無関心に通り過ぎていた部分を、心に留めて、自分も何かしたいと思うようになっただけで、目に映る世界は色を変えました。
色の変わった世界を見れて良かったと思います。
例えそこにあるのが、目を背けたくなるような厳しい現実であっても。
知らないままよりは、知れて良かった。
……そう思います。
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